和田烏江『異説まちまち』巻之四より

ミイラは人ではない

 ミイラは人ではない。おおむね松ヤニである。松ヤニに何か生き物の成分を加えて練り、布で巻いて締めたものであろう。
 松ヤニだという証拠に、痰を取るのにいい薬となっているではないか。

 かつて大江山で、盗賊が人に似せてミイラをつくっていて、禁止されたこともあった。
あやしい古典文学 No.162