阿部正信『駿国雑志』巻之二十四下「肥付石」より

肥付石

 その石は、駿河国安倍郡浅畑東村にある。
 形は大きな釣鐘に似て、滑らかに黒光りするさまは油を注いだかのようだ。
 名づけて「肥付石(こえつきいし)」。人がこの石に触れると、必ず足が太くなる病気に罹るそうだ。
 毒石の一種であろうか。
あやしい古典文学 No.566