橘南谿『北窓瑣談』巻之二より

風のつばめ

 若狭の国の山谷には、足のない燕がいる。
 普通の燕に比べてやや大きい。土地の者は風鳥(ふうちょう)と呼んでいる。
 木曾の山中にもまた、この燕がいるという。木曾では大燕という。

 これらはみな、胡国の燕である。
あやしい古典文学 No.134