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西村白烏『煙霞綺談』巻之四より |
伯母 |
享保年間のこと、西三河の山中村で子供が死亡したので、葬送して荼毘に付した。 火をかけて人々は帰ったが、伯母が一人、後を見届けるために残った。ところが伯母は、火の中から子供の死骸を取り出して喰ってしまった。 偶然これを見ていた者がいて、村に帰って話したので、数十人の村人が手に手に棒を持って火葬の場へ行ってみると、伯母の顔貌は凄まじく一変し、人々の頭上を飛び越して山へ駆け込み、行方知れずとなった。 この伯母は平生から非情残忍であった。それゆえ魔性が入れ替わったのであろうという。 後、仏道修行の者がその悪霊を弔い、『鬼誉妙転』と法名を授けた。 |
あやしい古典文学 No.186 |
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