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菊岡沾凉『諸国里人談』巻之二「月糞・星糞」より |
月の糞・星の糞 |
美濃の国の御岳のふもとに、月吉村、日吉村というところがある。 そこでは、秋になると夜ごとに降るものがある。長さ十二センチあまり、巻貝のように捩れ曲がって薄白い色の石である。 これを「月の糞」という。 信濃の国の岩村山のあたりに、春、田を耕すと土中から出てくる石がある。色は薄い灰色、水晶に似た感じである。大きなものはまれで、ふつう火打石のかけら程度の、角が尖った石だ。 このあたりは、よそに比べて流星が多い土地である。流星がとりわけ多い年には、この石もまた多い。 これを「星糞」という。 |
あやしい古典文学 No.204 |
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