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岡田新川『秉穂録』第二編巻之下より |
熊野山中にて |
熊野山中では、炭焼きをしている者のところへ、身長二メートル余の大山伏が来ることがある。魚や鳥の肉を火に投ずると、その生臭いにおいを嫌って立ち去る。 また、白い女がイノシシの群を追いかけて来ることもあるそうだ。 同じく熊野山中にて、身の丈二メートル半に及ぶ女の屍が見つかったことがある。 女の髪は長く、足先までとどくほどだった。口は耳まで裂け、目もふつうよりよほど大きかったという。 |
あやしい古典文学 No.238 |
座敷浪人の壺蔵 | あやしい古典の壺 |