大朏東華『斉諧俗談』巻之三「酒魔」より

酒魔

 『韻府』によれば、元載という生まれつき酒が嫌いな人がいて、鼻で酒のにおいを嗅いだだけで悪酔いしたという。
 ある人が、針で元載の鼻先を突いたところ、そこから小さな虫が出てきた。

 この虫を「酒魔」という。
 虫が出て以後の元載は、日に一斗を尽くす大酒飲みとなった。
あやしい古典文学 No.298