『斉諧俗談』巻之三「小人国」より

小人国

 『三才図会』によれば、東方に小人の住む国があるという。
 小人の身長は三十センチメートルに満たない。路上で鶴に出会うと呑まれてしまう。そのため、いつも集団で出歩く。

 また『広博物志』によれば、魏の時代、河間の王子の充の家の庭に、雨に混じって七八人の小人が降ったという。その身長は二十センチメートル前後。
 小人たちは自ら語った。
「われわれは河東の南に住む者です。風に吹かれてここまで飛ばされてきました」
あやしい古典文学 No.357