大田南畝『半日閑話』巻十五「鳴子密夫」より

鳴子密夫

 堀ノ内妙法寺への参道の途中、鳴子の少し先に、竹のキセル胴などを彫る町人がいた。
 その女房は姦通していたが、あるときついに発覚した。
 亭主は両人をとらえ、近所の寺の境内に連れていって、間男の陰茎を切り、女の陰門をくりぬいた。そうして、検視の役人が来るまで放置した。

 検視が来てみると、おびただしい数の鼬(いたち)が、女のえぐられた陰門に取りついていたとのことである。
あやしい古典文学 No.528