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林羅山『狐媚鈔』「王義方」より |
狐をつかう術 |
唐の王義方という者が、魏州に赴いて、その地の郭無為という人に、狐をつかう術を学んだ。 王義方が試しに術をつかうと、狐が大勢やってきたが、まったく彼に従わなかった。 それどころか、皆で王義方を嬲りものにした。 瓦を投げ、甕を飛ばして、王義方にぶつけた。彼が本を開くと、すぐにやって来て引き裂いた。 ある時は空中に声を発して、 「おまえの術で、俺たちがつかわれると思うのか。たわけめ」 と嘲笑した。 ほどなく王義方は、狐の迫害にめげて死んだ。 郭無為がでたらめを教えたのだろうか。それとも、王義方の術が未熟だったのか。 |
あやしい古典文学 No.608 |
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