HOME | 古典 MENU |
『古今著聞集』巻第十七「延長七年四月宮中に鬼の足跡の事」より |
鬼の足跡 |
延長七年四月二十五日の夜、宮中に鬼の足跡が発見された。玄輝門内外、桂芳坊のほとり、中宮庁・常寧殿のうちなどにあった。 大きな牛の足跡に似ていた。ひづめのあとは青く、さらに赤い色が混じっていた。一二日たつうちに、次第に薄れていった。 兵衛府の詰所にいた兵士の話では、当夜、大きな熊が入ってきたように見えて、そのまま失せたそうだ。 鬼の足跡に混じって、小児の足跡もあったという。不気味なことだ。 |
あやしい古典文学 No.658 |
座敷浪人の壺蔵 | あやしい古典の壺 |