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人見蕉雨『蠅糞録』坤「久保田の桧山屋敷」より |
告げ猫 |
諸国を巡る修行の僧が語った。 上野ノ国に、源頼朝の時代から生きている猫だという、大きさ馬ぐらいの怪しい獣がいて、十重二十重に囲って、布団を敷きつめた上に座している。 土地の者は、これを産神(うぶすな)のごとく崇めて朝夕に膳を供え、年中のことを問うて吉凶を知る。例えば、米の相場がいつごろ上がるか、いつごろ下がるかなどと委しく聞いて、それに従い物事をなすのだ。 |
あやしい古典文学 No.797 |
座敷浪人の壺蔵 | あやしい古典の壺 |