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『榻鴫暁筆』第十五「漢武将食蛇」より |
偏食将軍 |
昔、中国の一人の女が、二人の男子を生んだ。 二人とも勇猛な武人に育ち、漢の将軍となった。 南方の蛮地へ侵攻するや、連日数万人を亡ぼす戦果を挙げた。なにしろ、日に千里を走るというつわものであった。 しかるに、二人とも極めて偏食で、蛇だけしか口にしなかった。 だから、蛇が冬眠する冬には食うものがなくて、常に飢えていたという。 『寅成郡記』という書物に書かれている。 |
あやしい古典文学 No.821 |
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