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浅井了意『新語園』巻之九「李勢宮女化蛇 独異志」より |
変身 |
中国の五胡十六国時代、成漢の皇帝 李勢の宮廷でのこと。 宮女の張氏は妖艶で魅力にあふれ、歌っても舞っても華麗で美しかった。李勢は彼女を寵愛して、傍らから離さなかった。 ある日、張氏はにわかに変身して、長さ一丈あまりの大斑紋の蛇となった。 李勢はこれを殺すにしのびず、宮殿の庭に放してやった。しかし、蛇は夜になると戻って、李勢の寝所の床下にとぐろを巻いた。 さすがに怖くなって、ついに蛇を打ち殺した。 鄭氏もまた、李勢がことに寵愛した宮女だった。 こちらは突如として虎に変身し、他の宮女をかたっぱしから襲って食った。 それからまもなく、東晋の桓温将軍の軍勢に攻撃されて李勢は降伏し、成漢は滅亡した。 |
あやしい古典文学 No.1014 |
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