鶴峯戌申『海西漫録』初篇三「飛騨金山」より

坑道の三人

 飛騨国の金鉱山で、坑道を掘り進めていたところ、いつ掘られたか知れない昔の坑道に掘り当たった。
 すると突然、古い坑道から三人の者が駆け出てきた。彼らは新しい坑道を走ったが、出口のところで倒れて動かなくなった。
 見れば、三人とも骸骨であった。
あやしい古典文学 No.1140