『本朝故事因縁集』巻之四「馬皿霊験」より

馬皿

 馬皿(ばさら)は、馬が産む玉である。藤の実のようなもので、馬糞に混じっている。
 奥州の人はこれを、火難を除く宝玉として珍重する。「所持する人は火難を遁れる」という霊験がある。

 また、馬皿を西国に持っていって、雨乞いに用いたら、たちまち雨が降ったそうだ。
 不思議なことである。
あやしい古典文学 No.1239