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『古今著聞集』巻第十七「天慶八年八月群馬の音」より |
群馬の音 |
天慶八年八月五日の夜、内裏の宣陽門と建春門の間を、二万頭余りと思われる馬が通った。群馬の音は数時間続いた。 左近の脇の陣に詰めた近衛兵も、左兵衛の陣で警備する役人も、みなその喧騒を聞いた。 はじめは群馬の嘶きと蹄の音だったが、後には数百人の人の声と足音に聞こえた。 同年同月十日の朝には、紫宸殿の前の桜の下から永安門まで、鬼の足跡・馬の脚跡などが一面に残されていた。 昔は、こうした怪事が日常的に起こったものだった。 |
あやしい古典文学 No.1280 |
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