『事々録』巻二より

眼力

 天保十四年二月下旬、大阪難波の見世物に、「眼力」という者が出た。
 眼球が外に飛び出ていて、それにさまざまな重い物をぶら下げて見せるのだ。

 この者は前年、江戸両国の粗末な菰張りの小屋でも、同じ芸を見せたそうだ。
あやしい古典文学 No.1284