『訓蒙故事要言』巻之十「馬生蓮花」より

飲馬橋

 『劉氏鴻書』巻四十三嗜好部によれば、中国東晋時代の学僧である支遁(しとん)は、馬に乗ることを好んだ。
 支遁が最も大切にした馬は、頻伽(びんが)という名だった。

 あるとき、橋の下で頻伽に水を飲ませると、その場で馬が尿をして、尿の跡にたちまち蓮花が生じた。
 人々はこれを奇異として、橋に「飲馬橋」と名を付けた。
あやしい古典文学 No.1431