『諸家随筆集(村井随筆)』より

元気で長生き

 信州水谷村というところに、百姓の老夫婦が暮らしている。夫の徳左衛門は百四十七歳、女房は百三十五歳。
 天明三年四月十三日暮れごろ、女房が女子一人を出産した。しばらくしてさらに二人を産んだ。最初の子は、ずいぶん大きかったらしい。
 役人の吟味の後、褒美として銭五百貫が下された。

 なお、徳左衛門の倅は八十九歳、その女房八十七歳、孫が五十七歳、その女房五十五歳とのこと。 
あやしい古典文学 No.1457