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古賀侗庵『今斉諧』巻之二「蒙古木像」より |
蒙古木像 |
後宇多天皇のとき、蒙古が日本に来襲した。壱岐・対馬は徹底的に蹂躙され、対馬侯も戦死した。 今、対馬の一古寺には、多数の木像が並んでいる。 それはおそらく、来寇のときに蒙古の船中に積まれていたものだろう。破船の中から対馬の人が獲り集め、寺に蔵したものにちがいない。 像はおよそ四五百体。みなとても人とは思われないほど醜怪な顔貌をしている。 対馬の婦人で、子が欲しい者は、夜を冒して寺に忍び入り、その像を抱いて臥す。そうすると妊娠がかなうのだそうだ。 |
あやしい古典文学 No.1462 |
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