古賀侗庵『今斉諧』巻之一「怪兎」より

怪兎

 享和年間のこと、伊予大洲の人が山で猟をして、一匹の兎を得た。
 その兎には足が六本あり、うち四本は下半身に、残り二本は上半身にあった。
 また、雌雄の両性を具していた。
 おそらく、雄と雌の二匹が合体した怪兎であろう。
あやしい古典文学 No.1655