朝日重章『鸚鵡籠中記』元禄十六年四月より

酔死

 大田文右衛門組足軽丹羽九太夫の子で、丹羽半六という町人がいた。
 竜泉寺に詣でて酒に酔い、日の傾きかけたころふらふらと帰途についたが、大曽根坂下辻井あたりで脇差が抜けた。
 よろめきながら脇差を拾って、鞘に差そうとして腹に突き込み、俯きに倒れて突き通し、死んだ。

 なんとも、はや。
あやしい古典文学 No.1689