中村満重『続向燈吐話』巻之五「蝮蝎家を潰す事」より

重いうわばみ

 某大名家の領国内で、うわばみが民家の屋根に這い上り、その家を潰して、人を取り喰らった。
 家を潰すほどの重さだから、うわばみの大きさもよほどのものだったろう。

 領主は大勢人を差し向け、うわばみを殺し、その頭を取って城の台所の棟木にかけた。
 魔除けのためだとのことで、今もあるらしい。
あやしい古典文学 No.1699