古賀侗庵『今斉諧』巻之四「蛇好穴」より

蛇が突撃

 仙台の某武家の下女が、川端にしゃがんで食器を洗っていた。
 蛇が川面から、剥き出しになった女陰を見て、ぬっと鎌首をもたげ、水面を滑るように泳いで、穴めがけて突進してきた。
 間一髪、下女は盆で蔽って防いだ。蛇は盆に激突して、頭蓋骨を折って死んだ。

 蛇は陰物であるため、穴に入るのを好むのだった。
あやしい古典文学 No.1701