『元禄世間咄風聞集』より

爪の間から狐が憑く

 内藤豊前守家来の何某は、爪の間から狐が入り、そのまま憑かれた。
 腕の、狐がいると思われるところの前後をきつく縛ると、そこが腫れ上がった。
 脇差で腫れを突き刺したところ、腫れは引き、屋敷の裏で狐が死んでいた。
あやしい古典文学 No.1719