『浪花見聞雑話』より

女相撲

 明和五年の夏、道頓堀で女の相撲が行われた。
 東西に大関・関脇・小結を分けて、一方の大関は「はんがく」という大女だった。
 町々の素人女も、希望すれば相撲を取ることができた。

 天満天神前の小山屋の下女は大力で、飛び入りで出て、大関はんがくを投げ飛ばした。
 この下女はニ十二歳。ふだんは四斗俵を歯でくわえ、振り回して我が肩に放り上げて担いでいたという。
あやしい古典文学 No.1729