『斉諧俗談』巻之五「鳳五郎」より

鳳五郎

 『食鑑(しょくかがみ)』によれば、昔、阿蘭陀国から鳥が献上された。
 その形は白鳥に似て大きく、背たけ二メートル前後、全体に灰色で、少し黄色を帯びている。頬とくちばしは黒く、脚先が鶏に似て逞しい。よく鉄石や竹木を食う。

 これを「鳳五郎」という。
 かの国の人は、鳳五郎を馬のように使い、柴・薪・貨物を負わせるそうだ。
あやしい古典文学 No.1740