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本島知辰『月堂見聞集』巻之十九より |
頭蓋骨 |
享保十二年六月六日、江戸は雷鳴おびただしく、雷光は間断なく閃いて、あたかも火中にいるかのようだった。これにより驚死する者、絶入する者が数多かった。 雷電の轟きによって、江戸城吹上の御殿に異形の頭蓋骨が落ちた。 その頭の長さ六寸あまり、幅八寸あまり、眼の穴二寸ほど。口が嘴のように尖って、その長さ九寸程。口中には歯がひしと生えていたが、ただし上唇ばかりで、下唇はなかった。 いかなる魚・鳥の骨か、分明でない。 翌々日の八日にも、ずいぶんな大雷があった。 江戸は雷の少ないところで、今年ほどの大雷はまれである。 |
あやしい古典文学 No.1774 |
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