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木室卯雲『奇異珍事録』二巻「仙人」より |
鶴仙人 |
延享二年、八月ごろの某日のこと。 牛奥忠左衛門という人が、一歳の娘を連れて、近所に住む友達の大村兵部の家を、いつものように訪ねた。 午後四時を過ぎたころ、物見で遊んでいると、西から東をさして、鶴が一羽飛んでいった。鶴の背に小さい仙人が乗って、巻物を見ながら飛行するのを見た。 家の主の兵部も、それを見たという。 鶴はたちまち向こうの屋敷のほうに舞い下りて、長屋の陰に入って見えなくなった。 鶴の大きさは、鳶くらいだったそうだ。 |
あやしい古典文学 No.1782 |
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