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『大和怪異記』巻七「女死して蛇になる事」より |
怨みの蛇 |
江戸芝田町八丁目の紙屋の妻は、夫への怨みがつのったあげくに病みついた。 ついに死んだので寺へ送り、夜着布団を取りのけてみると、六七尺ばかりの黒蛇の死骸になっていた。 それを熊手にかけて、寺の裏口から海に捨てたところ、蛇はたちまち生き返り、捨てた人より先に、元の家まで這って行った。 後を追って家に行った人が蛇を探したが、どこにもその姿が見当たらなかった。 そうして四十九日が過ぎると同時に、後妻が迎えられた。 しかし、婚礼の翌朝、新妻は実家へ逃げ帰った。なにか恐ろしいことがあったに違いない。 |
あやしい古典文学 No.1831 |
座敷浪人の壺蔵 | あやしい古典の壺 |