本島知辰『月堂見聞集』巻之十九より

白餅の怪

 享保十一年十月十八日の夜十時ごろ、京都市中の南西から北東に向かって、幅一間ほどの一筋の白い光線がさした。

 同夜、寺町通仏光寺下ル町で、五升づきほどの白餅が一つずつ、五軒の店の軒下に並べ置かれたあった。松原通寺町西入ル町では、七軒に餅が並べられていた。
 何者の仕業かは分からない。
あやしい古典文学 No.1833