『異国物語』「奇肱国」より

奇肱国

 この国の人は、空飛ぶ車を作り、風に乗って遠方まで行く。
 昔、殷の湯王のとき、奇肱の人が西風に乗って予州までやって来たが、湯王は喜ばず、彼らを抑留し、車をことごとく破壊してしまった。
 それから十年後、東風が吹いた時、奇肱の人はまた車を作って母国へ帰還した。

 その国は玄玉門の西一万里にある。
あやしい古典文学 No.1846