『異国物語』「■■国」「一臂国」より

有尾人・半身人

 永昌郡の南千五百里に、尾のある人々の住む国がある。
 彼らの尾は非常にデリケートなので、座りたいときには、まず地面を掘って穴を作り、その中に尾を入れてから、おもむろに座る。
 もし誤って尾を折ったら、そのまま死んでしまうという。

 西海の北には「一臂国」がある。
 この国の人は一目・一手・一足であり、人間を縦半分にしたような形をしている。
 ふつう、対称になる半体どうしが横に並んで行動する。
あやしい古典文学 No.1864