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| 『岩邑怪談録追加』「横山の鉦打ち小僧の事」より |
小僧の行列 |
| 岩国の錦川左岸、横山に住まいする人が、夜更けて帰っていくとき、たくさんの鉦の音が聞こえてきた。 行く手を見ると、ニ三十人ばかりが鉦を打ちつつやって来る。僧侶の修行の列らしかったから、傍らの屋敷の裏門に身を避けた。 まもなく前を通り過ぎるのを見れば、十二三歳から十五六歳くらいまでの子供の僧ばかりが列をなしていた。おのおの腰に鉦をつけているさまは、巡礼の六部僧のようだった。 腰の鉦を打ち鳴らしながら、行列は乗越のほうへと去っていった。 横山一帯の寺に僧は多いとはいっても、これほどの数の小僧はいない。 どこの寺に住む者か、また、何のために鉦を打つのか、何かの回向のためなのか、訳の分からないことであった。 |
| あやしい古典文学 No.1866 |
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