岡田新川『秉穂録』第二編巻之下より

スケト

 佐渡は「大佐渡」と「小佐渡」という二つの地が連なった島で、瓢箪島ともいう。
 土地の者は、この島が蓬莱島だと言い伝えている。なるほど山の石の色は、仏の髪のごとき紺青だ。

 人魚は不死の薬とされるが、佐渡の海には「スケト」という魚がいて、人魚と交わる。ゆえに、ウミアワと呼ばれるスケトの卵は妙薬となる。
あやしい古典文学 No.1894