林羅山『庖丁書録』「烏賊」より

烏賊

 烏賊(いか)は、烏を捕るために海面に浮かぶ。烏がついばもうとする瞬間、脚を巻きつけて水に沈み、これを食う。
 それゆえ「烏賊(うぞく)」という名がついた。

 また、中国の漁師の言い伝えがある。
 むかし、秦の始皇帝が東海に遊んだとき、筆入れ袋を海に捨てた。烏賊はそれが化したものだから、形が袋に似て、腹中に墨がある、と。
あやしい古典文学 No.1951