『聖城怪談録』上「梅田清左衛門山鳥の火を見る事」より

山鳥の火

 梅田清左衛門という人が、ある日の明け方、何気なく慈光院山の方角を見たら、山の上あたりを火が飛び回っていた。
 何の火だろうかと目を凝らすに、形は鳥だった。さらによく見ると山鳥で、その頭部が火となって見えたのだった。

 「山鳥が火となる」ということは、多くの人が言うけれども、今まで正しく見た者はいなかった。清左衛門が見たことをもって、その証拠とすべきであろう。
あやしい古典文学 No.1953